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日本国民を総動員し戦った先の大戦が終わって60有余年が過ぎ去りました。戦後の復興の最中、国防という独立国家における最重要課題を日米安保条約により米国に依存して邁進した結果、高度経済成長を成し遂げ、日本国民は物質的な豊かさを手にしたといえるでしょう。しかしそれは、本当の平和と呼べるのでしょうか。
当時を知る方々の多くが鬼籍に入り戦争の記憶が薄れ、特攻隊についてはテロリストと同一視されることさえあります。しかし真実は違います。特攻隊員の多くは愛する家族や故郷、そして日本という祖国の存続をかけて自らの生命を賭して戦ったのです。相手は交戦国の軍隊であり、民間や一般市民をも標的とした無差別自爆テロとは大きく違います。そして現在、戦前戦中と異なる個人主義の時代へと変革し、自分さえ良ければ良いという観念が横行し他人を思いやる心が希薄になっていると思います。
特攻隊員の中で、鹿児島知覧町から出撃した多くの若者たちは、軍指定食堂の女将、鳥濱トメと親交を深めました。隊員の方々に出撃前のわずかな日々を少しでも安らいで欲しいと、トメは私財を売ってまでまるで母親のように献身的に尽くしました。それは彼ら隊員たちが、我が身を犠牲にしても、家族や故郷の平和を願いながらひたむきに運命に向かっていく姿を目の当たりにしたからではないでしょうか。
戦後トメは、特攻隊の彼らのことを後世に語り継ぐ強い決意から、知覧特攻平和観音堂建立のため奔走しました。その結果、特攻平和観音堂は昭和30年に建立され、現在は隣接する知覧特攻平和会館も含め修学旅行生など多くの人々が訪れています。そして、そこには忘れてはならない日本人として大切なものがあります。
トメが伝えようとしたもの、それは当時の特攻隊員たちが尊い命を賭してでも守りたかった、愛する家族への想い。特攻があったという、その事実。私たちはトメや先達の軌跡を辿ることで、我が国の歴史の真実を理解し、正しく後世に遺していく責務があると考えます。
しかし、任意団体では各個人への負担も大きく、幅広い関連資料の収集、既存慰霊団体との連携、寄付の受取りなどを考慮すると特定非営利活動法人の設立が望ましいと考えます。皆様のご理解と幅広いご支援をお願いいたします。
特定非営利活動法人知覧特攻の母鳥濱トメ顕彰会
理事長 柿﨑 裕治