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日本国民を総動員し戦った先の大戦が終わって70有余年が過ぎ去りました。戦後の復興の最中、国防という独立国家における最重要課題を日米安保条約により米国に依存して邁進した結果、高度経済成長を成し遂げ、日本国民は物質的な豊かさを手にしたといえるでしょう。しかしそれは、本当の平和と呼べるのでしょうか。
当時を知る方々の多くが鬼籍に入り戦争の記憶が薄れ、特攻隊についてはテロリストと同一視されることさえあります。しかし真実は違います。特攻隊員の多くは愛する家族や故郷、そして日本という祖国の存続をかけて自らの生命を賭して戦ったのです。相手は交戦国の軍隊であり、民間や一般市民をも標的とした無差別自爆テロとは大きく違います。そして現在、戦前戦中と異なる個人主義の時代へと変革し、自分さえ良ければ良いという観念が横行し他人を思いやる心が希薄になっていると思います。 特攻隊員の中で、鹿児島知覧町から出撃した多くの若者たちは、軍指定食堂の女将、鳥濱トメと親交を深めました。隊員の方々に出撃前のわずかな日々を少しでも安らいで欲しいと、トメは私財を売ってまでまるで母親のように献身的に尽くしました。それは彼ら隊員たちが、我が身を犠牲にしても、家族や故郷の平和を願いながらひたむきに運命に向かっていく姿を目の当たりにしたからではないでしょうか。 戦後トメは、特攻隊の彼らのことを後世に語り継ぐ強い決意から、知覧特攻平和観音堂建立のため奔走しました。その結果、特攻平和観音堂は昭和30年に建立され、現在は隣接する知覧特攻平和会館も含め修学旅行生など多くの人々が訪れています。そして、そこには忘れてはならない日本人として大切なものがあります。 トメが伝えようとしたもの、それは当時の特攻隊員たちが尊い命を賭してでも守りたかった、愛する家族への想い。特攻があったという、その事実。私たちはトメや先達の軌跡を辿ることで、我が国の歴史の真実を理解し、正しく後世に遺していく責務があると考えます。この法人は子供から広く一般の市民に対し、特攻隊や鳥濱トメの顕彰展示会や特攻隊の史実を伝える講演会、同じく書籍の出版や映像資料の提供、特攻隊慰霊祭などの事業を通じ、鳥濱トメの献身的精神を広め、気概ある先達の想いを継いで、社会教育に寄与することを目的とし、設立します。
しかし、任意団体では各個人への負担も大きく、幅広い関連資料の収集、既存慰霊団体との連携、寄付の受取りなどを考慮すると特定非営利活動法人の設立が望ましいと考えます。皆様のご理解と幅広いご支援をお願いいたします。 特定非営利活動法人 知覧特攻の母鳥濱トメ顕彰会 理事長 柿崎裕治平成8年、要人警護を中心とした危機管理のスペシャリスト集団として株式会社ビーテックインターナショナルを設立、代表取締役社長就任。平成28年7月には代表取締役会長に就任した。 平成20年、株式会社カートプロモーション(現・株式会社カートエンターテイメント/代表取締役 柿﨑裕治)で鳥濱トメと特攻隊の真実の姿を描いた舞台「帰って来た蛍」を初演。以降、「帰って来た蛍~慟哭の詩~」「帰って来た蛍~神々のたそがれ~」「帰って来た蛍~蒼空の神々~」を上演し好評を博す。平成27年には終戦70周年記念公演「帰って来た蛍~未来への伝言~」を上演、シリーズ最新公演は平成29年「帰って来た蛍~天空の誓い~」で、連日ほぼ満席のうちに幕を閉じた。新型コロナ感染症感染拡大の影響があり延期となった「帰って来た蛍~令和への伝承~」も令和4年に再演、大盛況のうちに千穐楽を迎えた。また、戦後の特攻隊生還者と鳥濱トメの次女・赤羽礼子、そして孫の潤の親子三代を描いた映画「さつまおごじょ」(カートエンターテイメント制作「大河巡る~生まれ変わっても忘れない~」に収録)では監督を務め、マドリード国際映画祭で最優秀作品賞を受賞するなど世界各国の映画祭でも高評価を得ている。
株式会社カートエンターテイメント代表取締役社長。陸上自衛隊教育訓練研究本部後援会会長。